歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

ストーカー

DV・モラハラ被害者はなぜ逃げられないのか(トラウマ性の結び付き traumatic bonding)

「トラウマ性の結び付き(traumatic bonding)」という、一般の人々には理解され難い被害者心理があります。トラウマになるような被害を受けている者が、加害者から離れられなくなる心理ですが、これはしばしば指摘されがちな「共依存」とは全く性質が異なる…

「大恋愛」に似た、人格異常者の興奮状態

自己愛に問題を抱えている性格異常者は、自分を肯定できる機会になりそうな相手を見つけると、「素晴らしい相手に出会えた!」と感じます。相手を幻想的に美化します。彼らは心の底から喜びます。対象にされた人には、これほど純真で美しい心情はないように…

愛想を尽かされないと思い込んでいるDV・モラハラ・ストーカーのエロトマニア(被愛妄想)傾向

「それを言ったら、おしまい」ということを言えば、普通は、その時点で相手から嫌われて当たり前です。敢えて言うことがあるとすれば、それを覚悟で言うのが普通です。あるいは、縁を切る場合ですら、本当に相手を傷つけそうな事は、言わないでしょう。 とこ…

「ストーカー」の分類(ミューレンによる分類)

日本では「桶川ストーカー殺人事件」(1999年)や「三鷹ストーカー事件」(2013年)のように、元交際相手による事件が「ストーカー事件」としてイメージされやすいかもしれません。 しかし、そもそもアメリカで「ストーカー」の恐怖が知られる切っ掛けとなっ…

被害からの立ち直り方

モラハラ・DV・ストーカー、セクハラ、パワハラ、性被害、妄想症の人からの被害など、どれにも当てはまると思いますが、加害者に人格異常や精神異常がある場合、加害者心理の分析と、被害者に生じている異常な精神状態の正常化とは、セットになっていると思…

偽のストーカー被害者

ストーカー問題の関係者は必携の書とされている、ミューレン / パテ /パーセル共著『ストーカーの心理――治療と問題の解決に向けて――』サイエンス社, 2003年の中に、偽のストーキング被害者たちという項目があります(223-243頁)。 「『偽被害シンドローム』…

問題だらけのストーカー規制法

日本のストーカー規制法では、相手に対するつきまとい等のストーカー行為が「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」ということに限定されているので、ミューレンの分類における「憎…

パーソナリティ障害の傾向とモラハラDV・タイプの異なり

パーソナリティ障害といっても、複数の障害が混じっている場合もあります。 モラハラやDVをする人に自己愛性パーソナリティ障害があるといっても、境界性パーソナリティ障害や反社会性パーソナリティ障害や妄想症などが混じっていると、攻撃の展開の仕方が違…

恐怖の恋愛妄想 ~クレランボー症候群(エロトマニア、被愛妄想)

非常に簡単に言うと、妄想上の恋愛関係でマウントを取らなくては気が済まないというのが、クレランボー症候群の妄想の特徴です。そのため、妄想の対象としている相手から避けられたり嫌われたりすると、自分の優位を取り戻すために、相手の方を貶める醜悪な…

異常者と二人きりの心理空間

モラハラでも、DVでも、タチの悪いストーカーやセクハラや性被害でも、加害者が異常者である場合の問題を、次のように言うことができると思います。 被害者には正常者の脈絡しかないので、被害者は加害者の意図や言動を理解したり想像したりすることができ…

妄想性人格障害(DV・ストーカーのタイプ)

DV を行う人の多くは、妄想性人格障害かもしれません。極めてタチの悪い執拗なストーカーにもなるタイプだとされます。一般人口の 0.5 ~2パーセントに見られます。岡田尊司先生の『パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか』の中の記述が非常に…

エロトマニア(恋愛妄想・被愛妄想)の奇妙で異様な特徴

d.hatena.ne.jp しばしばストーカーには、自分がターゲットから愛されているという被愛妄想(エロトマニア)があると言われます。なんらかの精神障害がある人に、付加的にエロトマニア妄想が生じてストーカー化するケースが多いようです。エロトマニア妄想だ…

好かれていると勘違いーモテ妄想男はエロトマニア・ストーカーの可能性あり

女性は自分が好きでもない男性から、「好きだと勘違いされている」と感じることがないでしょうか。こちらの記事(妄想型セクハラ(3)女性が「ノー」と言えない心理 - 歪んだ心理空間における精神的被害)でも書きましたが、そうしたとき、女性はわざわざ相…

ストーカー気質の男性の特徴

一般的にしばしば指摘される「ストーカー気質の男性の特徴」を取り上げてみます。これらの性質は「自己肯定感の低さ」に由来していると思われます。 ①自己肯定感が低い(劣等感が強い、自信がない) 物事をありのままに受け取ることができず、特に自分の劣等…

無自覚なストーカー&ストーカーのパターン

私が遭ったストーカー事件にしても、私の友人たちが遭ったストーカー事件にしても、加害者に自分がストーカーだという自覚がまったくない場合、案外、被害者も自分がストーカー事件に遭っているという認識が、すっと湧いてきません。いよいよ騒ぎになって周…

「ブロ友さん」の中に、こういう人がいたら要注意(ネット上の危険人物)

顔を見せないことを強みとする 自己中心的な思い込みで他人に絡む 悪質ストーカー化する可能性がある人のもつ要素 姿を見せないネット上のストーカー ネット上のトラブル 対処方法 都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧 追記(同性同士などでもトラ…

ストーカー加害者と被害者の心理

ストーカー被害者の体験談を聞くと、ストーカーの好意が脅迫から暴力へとエスカレートしていくパターンや、被害者がそれに対応して見せる感情的な反応は、とてもよく似ています。つまり、初めのうちは愛想よくしていた被害者も、じきに怒りを感じるようにな…

精神医学によるストーカーの分類

必ずしも精神障害がストーカーの原因であるとか、精神障害者が危険なストーカー予備軍だということではありませんが、ある種の障害は、しばしばある種の行動類型と結びつくことがあります。(これは福島氏によれば、ストーカーの内面的・心理的な状態で、精…

ストーカーやセクハラの怖いのは、断る時

一般的にストーカーもセクハラも、悪質な加害者の本当に怖いところは、キモチ悪く迫ってきたり、粘着してきたりするところなどではありません。被害者が断ったり、被害者の嫌悪感が伝わったりした時です。邪悪な人間ほど自己中心的で、相手に対する思いやり…

セクハラとストーカー、どちらが加害者でどちらが被害者か?

前回言及した「エグゼクティブ・ストーカー」ですが、これは有名人ほどでなくても、しばしば多少名前の通った人や、憧れの対象になるようなポジションにいて、人目につくことの多い人をターゲットにするストーカーです。 私はこのようなストーカーには、自分…

ストーカー被害の5つのタイプ

精神医学者の福島章氏の分類によると、ストーカー被害には次の5つのタイプがあります。これは、氏によればストーカーの行動の類型です(福島章『ストーカーの心理学』PHP新書, 1997年を参照)。 1.イノセント・タイプ(面識がない人) 2.挫折愛タイプ(…

女性が男性をレイプできる?(イタリア人女優アーシア・アルジェントさんを擁護する)

ジミー・ベネット(当時17歳)がイタリア人女優アーシア・アルジェント(当時37歳)からレイプ(強制性交)されたと言って告発したという事件がありました。しかし、これは逆にアルジェントに対するベネットのエグゼクティブ・ストーカー、もしくはスタ…