歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

被害からの立ち直り方

モラハラ・DV・ストーカー、セクハラ、パワハラ、性被害、妄想症の人からの被害など、どれにも当てはまると思いますが、加害者に人格異常や精神異常がある場合、加害者心理の分析と、被害者に生じている異常な精神状態の正常化とは、セットになっていると思います。

 

異常者との関係に巻き込まれているとき、被害者には次のような事が起こっています。

 

正常者は異常者の精神構造や攻撃の動機などを知らないし、想像もできないので、正常者の脈絡で理解しようとして、完全な混乱に陥ります。

 

被害者が正常者を相手にしている時と同じ対応をすると、被害が進展し、深刻化していきます。あるいは犯罪的な被害を避けることに失敗します。そのため、被害者は「自分の常識が間違っていたらしい」と思わされる破目になり、何が正常か、そうでないか、という感覚が狂ってきます。

 

被害者は生まれてから身に付けてきた正常な感覚、まともな自信、他人との当たり前の信頼感などが、壊されます。夫婦関係などで長年の被害に遭っていると、それが根っこから歪められていくように壊されていきますし、本来なら無関係の相手によって、事件のような事を起こされると、突如、激烈な壊され方をします。

  

ストーカー被害などではたとえば「人を差別せず、気の毒な人に親切にする」ということが、自分のとんでもなく愚かな欠点だったと思わされることになります(「私は人が良すぎた」「世間知らずだった」「馬鹿にも程があった」など)。

 

被害者のトラウマになる多くの原因は、「加害者の謎」にあると思います。

 

そして、被害が小さい場合はそうでもないのですが、事件の被害が大きければ大きいほど、第三者たちが一緒になって、被害者の落ち度を探し回り、声高に申し立ててくるようになります被害者は、普通の常識を備えていれば、遭わずに済むはずの被害に遭った人間とみなされるのです。

 

しかし、実際のところ、被害者が被害を避けられなかったのも、第三者たちから誤解されるのも、異常者の精神構造が理解されておらず、正常者の想像の範囲を完全に超えているからでしかありません。

 

したがって、被害者が正常な感覚や、持つべき自信や、他人との信頼感を取り戻すためには、異常者の精神構造や思考回路を知ることが、最も有効だと思われます。

 

異常者のからくりを知れば知るほど、何が自分の問題だったか、何がそうでないか、きれいに整理できていきます。この感覚は、混乱していた頭がクリアになる感じで、かなりの快感です。「こんな、驚くべき構造があったんだ!」というのは、とても面白いことです。

 

それとともに、自分が加害者にとってきた不自然な行動(我ながら、それを責めてしまうものなのですが)、加害者との間で起こってきた心理的葛藤なども、それが正常者の正常な反応だったのだということが、分かってきます。自分が傷つく必要など、何もなかったのだということも分かってきます。

 

こうして最後に、自分の問題などほとんど何も残らないところまで来ます。その時には、もう正常な感覚も、本来の自信も、他人への信頼感(誰が信頼に値し、誰が値しないか、という観点が洗練されたうえで)戻ってきています。

 

異常者心理は、正常者の想像の範囲を超えているので、専門家の本を読むと良いです。

 

  

 

たとえどんなにたくさんのものを失っても、それ以上に多くのものを取り戻していけると信じなくてはなりません。

 

加害者から取り戻すのではありません。

 

自分の人生の中で、自分で手に入れていくのです。

 

幸不幸はともかく、それしかないと思います。

 

たとえ加害者に負けることがあっても、私たちは人生において勝つことができます。

 

人生において勝つというのは、将来この世を去る時、「この人生を生きて良かった」と思えるように、自分で自分を良くしていくことだと思います。

 

地獄から生還した人間には、底力が備わります。

 

身の毛のよだつ経験すら、それが適切に処理され、一つの知見となるとき、私たちの人生観を広く豊かにします。

 

「知性は通常の苦しみから生まれるものではない。トラウマを負うような苦しみから生まれる」(フェレンツィ)。

 

 

2020.8.16 下の記事で捕捉しました。 

echo168.hatenablog.com