歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

投影と投影同一化(視)の違い&投影をしてくる人の精神構造

 

投影同一化(視)(projective identification)についての下の記事を比較的よく読んで頂けているようなので、補足しておきます。今回は、「投影」と「投影同一化(視)」との違いです。 

echo168.hatenablog.com

 

「投影同一視(化)」という言葉はいろんな意味で使われますが、モラハラに関係しているものについて述べます。

 

詳しくは、ウィキペディアをご覧ください。

ja.wikipedia.org

 

 

「投影」と「投影同一化」の違い

 

たとえば、単に相手が「おまえは馬鹿で幼稚だ!」と言ってきていて、言われた人が「自分のことを言っているんじゃないか」と思う場合、これは「投影」です。ネット上などではよく「自己紹介」という言い方もされているようです。

 

「投影同一化(視)」は、一種「予言的なもの」と言われています。つまり、投影されている人が、その通りの状態になっていく、という世にも恐ろしい現象です。

 

たとえば、「おまえは頭がおかしい」「性格が悪い」「おまえはダメだ」などと言われているうちに、言われている人の方が本当に頭がおかしくなってきたり、機嫌が悪くヒステリックな人のようになってきたり、委縮してダメになってきたりする場合、これは「投影同一化(視)」になります。

 

「投影」を行ってくる人の異様なエネルギーに巻き込まれてしまうと、人は平常の当たり前の状態を保つことができなくなり、一種異常な言動を取る破目になります。その時、「投影」してきている人が言っている通りの状態(あるいは、少なくとも「そうだ」と言って付け込まれる状態)になってしまう、ということです。

 

しばしばありがちだと思うのは、変な議論(論点のすり替えや膨大な屁理屈など)に巻き込まれて攻撃されているうちに、相手の膨大な屁理屈を正しきれなくなり、言いがかりをつけられている人の方が、頭がおかしくなってきます。

 

本当は、そういう論理障害的な人の方が頭がおかしいのですが、そういう人にかぎって、相手をやり込めようとして「おまえは頭がおかしい」と言ってきます。

 

さらに本当に恐ろしいのは、「おまえは頭がおかしい」「性格が悪い」「おまえはダメだ」等と言われている人が、「投影同一化」の影響で本当におかしくなり出すと、第三者が見ても、実際にそういう人に見えるようになることです。こうなると、「投影」というただの思い込みのようなものが、現実世界において事実化、実体化していってしまいます。

 

「投影同一化(視)」という言葉は使われていなかったかもしれませんが、こちらの本には、職場など大勢の人が関係してくる場面で、そういう恐ろしい現象が起こることが書かれています。

 

ここまでになってしまうと、投影を受けている人は、「自分がおかしくなった気がする」というよりも、本当の精神疾患になっていってしまったりします。

 

こういう風にして、狂気の世界に引きずり込まれます。「投影」をしてくる人と一対一の場合はまだ良いのですが、周囲の複数の人たちが皆で変な目で見てきだすと、本当に危ないです。

 

 

投影をしてくる人の精神構造

 

投影を行ってくる人たちは、自分自身の劣悪性を自覚することに恐怖を感じており、自分の劣悪性に由来する不安や葛藤や矛盾を解消する必要に迫られています。

このとき、不安や不愉快さを感じるきっかけとなった人間の中に、自分の劣悪性を読み込んで、相手を攻撃すれば、自分の問題を相手の問題にすり替えて、自分はそこから逃れることができます。

少なくとも相手を攻撃している間は、自分自身の問題として向き合わなくて済むので、必死になって相手に自分の問題を擦り付けて攻撃します。