歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

「大恋愛」に似た、人格異常者の興奮状態

自己愛に問題を抱えている性格異常者は、自分を肯定できる機会になりそうな相手を見つけると、「素晴らしい相手に出会えた!」と感じます。相手を幻想的に美化します。彼らは心の底から喜びます。対象にされた人には、これほど純真で美しい心情はないように見えるでしょう。そして、彼らのハイな状態や、非常に強い心理的エネルギーに巻き込まれるかもしれません。

 

まだお若くて、これから恋人や配偶者を選ぼうという方は、私はこれは本当に注意した方が良いと思います。正常者の恋愛感情ではないので、逆に普通にはないような「大恋愛」に見えてしまったりします。確かに異性感情には違いなく、当人は「大恋愛」だと思っていますが、実際には、人格異常者の興奮状態です。

 

自分が理想化している相手から自分が認められることによって、本当はくだらない自分が、一挙に「素晴らしい自分」になれる。美化した相手から愛されることによって、自分の価値が一挙に上がる。彼らが心底酔い痴れているのは、その気分です。彼らにとって何より大事なのは自分の価値であって、相手ではありません。強い愛に見えるものの正体は、病的に強い自己愛で、そういうことに相手を巻き込もうとするエネルギーが強烈なのです。

 

だから、相手を手に入れてしまうと、今度は相手との間で、優劣や勝ち負けを気にするようになります。さんざん理想化しておいた相手を、今度は貶め、マウンティングし、相手が抵抗すると下品なほど暴力的になります。もともと他人に対する愛などありません。相手を獲得しようとしていたのと同じくらいのエネルギーで、相手を打ちのめし、自分が優越感を得ることに喜びを感じるようになります。

 

【追記】2010.12.10

ブックマークへのコメントありがとうございます。

男女関係が他ならぬ自己自身の存立に関わっているため、彼らはしばしば人生をかけてやってきますので、善良な人であればあるほど、真面目に対応しなければ悪いような気になるだろうと思います。ちょうど相手に対する彼らの〈理想化〉と〈貶め〉の差が、本人の〈自己イメージ〉と〈実際の正体〉の差に当たっていると見ることができるのではないでしょうか。