歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

妄想型セクハラ(4)加害者による二次被害

 ハラッサー(セクハラをする人)に対して、周囲の男性たちが妙に寛容で同情的である場合が、しばしばあります。「ハラスメントともいえない恋愛沙汰を、対面を重んじる組織によって運悪く処分された」、「派閥争いに巻き込まれて、セクハラをでっちあげられた」といったストーリーが作られます。そうしたことを、被害者と恋愛関係にあったと思い込んでいるハラッサー自身が、積極的に触れ回ります。自分のしたことの本質が見えていなくて、処分に納得できていないからです。ハラッサー自身は、言いたくない部分は伏せて喋るから、彼に都合の良い話になります。彼に信頼された親しい友人や、利害関係を共有する人たちは、そうした話を鵜呑みにし、ハラッサーは「潔白な冤罪の犠牲者」というストーリーが流布されることになります。

 

 よく聞けば矛盾だらけのストーリーであっても、「男性がセクハラで陥れられた」という話は受けが良く、断片的なかたちで興味本位の噂話となったり、ネットを通じて広がってしまったりします。疑似恋愛セクハラに遭った被害者は、「恋愛関係のもつれ」という話にされてしまいます。これが男性の一方的な勘違い妄想であった場合、自分が微塵も恋愛感情をもっていない男性と、恋愛関係にあったかのような話にされます。男性との関係を受け入れていたように見える女性の場合も、恋愛感情以外の事情で我慢していたケースでは、相手との関係に耐えきれなくなった段階でセクハラを訴えています。しかし、「恋愛関係のもつれ」と受け取ら、セクハラを訴えた自分が、まるで性悪女のようなレッテルを貼られます。

 

 「恋愛関係のもつれ」による逆恨みどころか、恋愛感情がないからこそ、女性は自分を男女関係に引きずり込んだ男性に強い性的不快感を覚えて「セクハラ」だと感じているのです。ところが、セクハラを我慢させられてきたあげくに、自分の方が性的に貶められる誹謗中傷を受け、仕事もしづらくなったりすれば、大きなショックや悲しみを感じ、加害者に強い怒りや憎しみを抱くのは当然でしょう。

 

 女性にとって本当に好きだった男性は、「別れても好きな人」です。「セクハラ」で訴えはしません。

 

 

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