歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

カサンドラ症候群

パートナーにアスペルガー症候群が疑われる方は、ご夫婦の間で生じている問題が「カサンドラ症候群」なのかどうか判断できるよう、今回は精神科医の岡田尊司氏の説に基づき、カサンドラ症候群について簡単に説明しておこうと思います。 カサンドラ症候群 身…

モラハラ・DVにおける不毛な口論の根本原因&被害者が受ける影響

自分の劣悪性から目を逸らす自己愛性パーソナリティ障害 被害者における混乱 被害者は加害者を恐れて暮らすようになる 加害者は何が問題かハッキリ言わないまま、被害者を恨む モラハラやDVの加害者が行う口論は、問題を解決させるためのものではなく、自分…

自分の悪事を隠し、被害者の抵抗を「悪事」として、「正義」を振りかざす攻撃者たち — 加害者の話は分かりやすく、被害者の話は分かりにくい —

前回の記事で、DV・モラハラ加害者には、被害者を悪者扱いし、対立が深まると被害者を加害者に仕立て上げようとする傾向があると述べました。 これは彼らの権利意識や被害者意識が高く、欲が深いからです。 加害者は、男性である場合も、女性である場合もあ…

相手を「加害者」に仕立て上げようとするDV・モラハラ加害者

モラハラ・DV加害者は物事を正反対に捻じ曲げます。 責任転嫁による悪者扱い 被害者意識 被害者が抵抗するとエスカレートする攻撃 加害者の自己正当化 話の捻じ曲げ方 自分は「被害者」だと主張する 責任転嫁による悪者扱い 一般にモラハラ・DV加害者は、普…

DV・モラハラ加害者の10タイプ

アメリカのDV加害者専門カウンセラーであるバンクロフトは、DV加害者を10タイプに分類しています。 今回は、ランディ・バンクロフト著『DV・虐待加害者の実体を知る: あなた自身の人生を取り戻すためのガイド』(高橋睦子・中島幸子・山口のり子監訳, 明…

トラウマからの回復 ― ポスト・トラウマティック・グロース(PTG) 被害者はこうすれば立ち直れる!

加害者に反省や謝罪を期待しない 被害の種類を問わず、事件の加害者が反省したり謝罪したりすることを求める被害者が多いのですが、自分自身が早く立ち直り、事件を乗り越えていくには、加害者に反省や謝罪を求める気持ちをもたない方が良いでしょう。 その…

第三者が「被害者に落ち度がある」という見方をしたくなるのはなぜか

しばしば加害者は自己正当化して罪を逃れるために、被害者が悪くて自分が問題の言動をとったという主張をしますが、被害者は第三者からも非難されがちです。 第三者は、「被害者に落ち度があって被害に遭ったのだ」という話にするのが好きです。 そこに働い…

性暴力における<征服>と<破壊>

「性暴力」や「男女間の暴力」には<征服>や<支配>のほか<破壊>といったテーマがあり、次のようなパターンがあると思います。 ①<侵害>程度で終わるケース ②加害者が被害者を<征服>して去っていくケース ③加害者が被害者を<征服>しようとして付き…

本当の被害者と偽の被害者、真偽の見分け方

ハラスメント体質の人には被害者意識や権利意識が強く、些細なことで自尊心を傷つけられると、自己愛憤怒を募らせ、「自分は被害者だ!」と言って、相手を打ち負かそうとしてきます。 echo168.hatenablog.com DV、モラハラ、ストーキング、性被害など、既に…

被害者を「悪者」に仕立て上げるモラハラ人間②偽の被害者

1.偽のモラハラ被害者 イルゴイエンヌによれば、「モラル・ハラスメント」という言葉が一般化されると、偽のモラハラ被害者が現れるようになり、自分が気に入らない相手を「モラハラ加害者」として、社会的に打ちのめそうとするようになりました。 偽のモ…

被害者を「悪者」に仕立て上げるモラハラ人間①男性が遭う悲惨な被害

1.モラハラ・DV加害者は被害者を悪者に仕立て上げる 2.追い詰められた被害者が加害者に手を上げる 3.男性が「DV夫」だということで決着を付けられてしまう 4.被害者の防御を自分に対する攻撃とみなすDV加害者たち 5.男性はこの手のモラハラ攻撃に…

夜中に性的行為を受けているという妄想<インキューバス症候群>

自分が愛されているという妄想であるエロトマニア(被愛妄想)の一種に、自分が夜中に性的な誘惑を受けているという妄想もあります。基本的にエロトマニア者は、自分が相手から恋愛感情をもたれ、誘われ、ストーキングされていると感じています。 色情狂(筆…

変質的な異常者に対する恐怖感、および周囲から理解されづらい対処行動

旭川のいじめ事件については、「いじめ」というタームが私にはしっくりきません。大勢の加害者が「悪ふざけ」で嗤いながら行う、執拗な性的サディズムの行為は、被害者に最も深刻なレベルの心的外傷を与えて当然でしょう。加害少年からの脅しがあったという…

被害者の頭が狂ってくるモラル・ハラスメント

イルゴイエンヌの指摘するモラル・ハラスメントの恐さ マリー=フランス・イルゴイエンヌによると、モラル・ハラスメントの加害者は計算高く、狡猾です。 加害者は苛立ったり、感情を爆発させたりして相手に敵意を示すわけではない。加害者の敵意はほんの小…

加害者に罪悪感はないのか?

DVやモラル・ハラスメントなどの加害者は、相手を傷付けていることに罪悪感を感じてはいません。とはいえ、タイプによって、そのあり方は違っています。 まず一つのタイプは、反社会性パーソナリティ障害などがある、サディスティックなタイプですが、こち…

DV・モラハラ被害者はなぜ逃げられないのか(トラウマ性の結び付き traumatic bonding)

「トラウマ性の結び付き(traumatic bonding)」という、一般の人々には理解され難い被害者心理があります。トラウマになるような被害を受けている者が、加害者から離れられなくなる心理ですが、これはしばしば指摘されがちな「共依存」とは全く性質が異なる…

なぜ善人は悪人に負けるか ― 善人の〈常識〉と悪人の〈投影〉 ―

正義、潔白、善良、誠意、公正、愛、信頼、人情、正直、事実、真実、常識、良識 ―― そういったものは、邪悪な人々には通用しません。 普通の人は、相手に理解や良心や反省や謝罪を期待してしまいます。 「少しくらいは良心があるだろう」、「事実は明らかな…

「大恋愛」に似た、人格異常者の興奮状態

自己愛に問題を抱えている性格異常者は、自分を肯定できる機会になりそうな相手を見つけると、「素晴らしい相手に出会えた!」と感じます。相手を幻想的に美化します。彼らは心の底から喜びます。対象にされた人には、これほど純真で美しい心情はないように…

卑怯で陰険なモラハラ(イルゴイエンヌの「モラル・ハラスメント」)

下は、主にマリー=フランス・イルゴイエンヌが取り上げている「モラル・ハラスメント」の実例です。これは、「怒鳴る」「罵倒する」といった類のものでないことに注意する必要があります。 何年にもわたる意味不明の不機嫌さ、当てつけのような態度、嫌味な…

愛想を尽かされないと思い込んでいるDV・モラハラ・ストーカーのエロトマニア(被愛妄想)傾向

「それを言ったら、おしまい」ということを言えば、普通は、その時点で相手から嫌われて当たり前です。敢えて言うことがあるとすれば、それを覚悟で言うのが普通です。あるいは、縁を切る場合ですら、本当に相手を傷つけそうな事は、言わないでしょう。 とこ…

モラハラ・DV・ハラスメントの加害者心理 ― 自分の実像を直視できない ―

モラハラやDVの被害に遭っている皆さんは、加害者がくだらない事で喚き散らしている時、「なんてみっともないんだろう」と思わないでしょうか。 あるいは、加害者の思い上がりを「なんて格好悪いんだろう」と思わないでしょうか。 もし自分がそんなみっとも…

「トラウマを忘れよう」とか「加害者を許そう」とかする必要はない。「どうでも良くなる」方法

「恨み続けるのは辛いことだから、早く忘れた方が良い」、「許せるなら許した方が幸せだ」という考え方があります。 それはもっともなのですが、加害者が大した罰を受けていなかったり、あるいは逃げ回ったりしている場合、被害者は加害者を許すことなどでき…

「ストーカー」の分類(ミューレンによる分類)

日本では「桶川ストーカー殺人事件」(1999年)や「三鷹ストーカー事件」(2013年)のように、元交際相手による事件が「ストーカー事件」としてイメージされやすいかもしれません。 しかし、そもそもアメリカで「ストーカー」の恐怖が知られる切っ掛けとなっ…

投影と投影同一化(視)の違い&投影をしてくる人の精神構造

投影同一化(視)(projective identification)についての下の記事を比較的よく読んで頂けているようなので、補足しておきます。今回は、「投影」と「投影同一化(視)」との違いです。 echo168.hatenablog.com 「投影同一視(化)」という言葉はいろんな意…

準強制わいせつ罪に問われた乳腺外科医

東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸をなめ、自慰行為をしたなどとして、準強制わいせつ罪に問われた医師の控訴審判決が13日、東京高裁でありました。朝山芳史裁判長は一審の無罪判決を破棄し、懲役2年の実刑を言い渡しました。 麻酔…

被害者を「ストーカー」に仕立て上げるセクハラ加害者

セクハラにおいても、本来の加害者が被害者を加害者に仕立て上げることがあります。 ありがちなのは、大学などの教師が学生にセクハラをしておいて、自分が訴えられると、「メンタルが不安定な女子学生から、付きまとわれている」という話にするパターンです…

被害からの立ち直り方

モラハラ・DV・ストーカー、セクハラ、パワハラ、性被害、妄想症の人からの被害など、どれにも当てはまると思いますが、加害者に人格異常や精神異常がある場合、加害者心理の分析と、被害者に生じている異常な精神状態の正常化とは、セットになっていると思…

偽のストーカー被害者

ストーカー問題の関係者は必携の書とされている、ミューレン / パテ /パーセル共著『ストーカーの心理――治療と問題の解決に向けて――』サイエンス社, 2003年の中に、偽のストーキング被害者たちという項目があります(223-243頁)。 「『偽被害シンドローム』…

問題だらけのストーカー規制法

日本のストーカー規制法では、相手に対するつきまとい等のストーカー行為が「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」ということに限定されているので、ミューレンの分類における「憎…

クレランボー症候群の妄想の対象にされた人における精神的被害と後遺症

今年の4月に書いたクレランボー症候群についての記事に、こちらの記事のリンクを貼っておきました。妄想のターゲットにされた人が受ける精神的ダメージと後遺症についての説明をします。 下の理由により、妄想のターゲットにされた人は、頭を変にさせられ、…