歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

2020-01-01から1年間の記事一覧

「大恋愛」に似た、人格異常者の興奮状態

自己愛に問題を抱えている性格異常者は、自分を肯定できる機会になりそうな相手を見つけると、「素晴らしい相手に出会えた!」と感じます。相手を幻想的に美化します。彼らは心の底から喜びます。対象にされた人には、これほど純真で美しい心情はないように…

卑怯で陰険なモラハラ(イルゴイエンヌの「モラル・ハラスメント」)

下は、主にマリー=フランス・イルゴイエンヌが取り上げている「モラル・ハラスメント」の実例です。これは、「怒鳴る」「罵倒する」といった類のものでないことに注意する必要があります。 何年にもわたる意味不明の不機嫌さ、当てつけのような態度、嫌味な…

愛想を尽かされないと思い込んでいるDV・モラハラ・ストーカーのエロトマニア(被愛妄想)傾向

「それを言ったら、おしまい」ということを言えば、普通は、その時点で相手から嫌われて当たり前です。敢えて言うことがあるとすれば、それを覚悟で言うのが普通です。あるいは、縁を切る場合ですら、本当に相手を傷つけそうな事は、言わないでしょう。 とこ…

モラハラ・DV・ハラスメントの加害者心理 ― 自分の実像を直視できない ―

モラハラやDVの被害に遭っている皆さんは、加害者がくだらない事で喚き散らしている時、「なんてみっともないんだろう」と思わないでしょうか。 あるいは、加害者の思い上がりを「なんて格好悪いんだろう」と思わないでしょうか。 もし自分がそんなみっとも…

「トラウマを忘れよう」とか「加害者を許そう」とかする必要はない。「どうでも良くなる」方法

「恨み続けるのは辛いことだから、早く忘れた方が良い」、「許せるなら許した方が幸せだ」という考え方があります。 それはもっともなのですが、加害者が大した罰を受けていなかったり、あるいは逃げ回ったりしている場合、被害者は加害者を許すことなどでき…

「ストーカー」の分類(ミューレンによる分類)

日本では「桶川ストーカー殺人事件」(1999年)や「三鷹ストーカー事件」(2013年)のように、元交際相手による事件が「ストーカー事件」としてイメージされやすいかもしれません。 しかし、そもそもアメリカで「ストーカー」の恐怖が知られる切っ掛けとなっ…

投影と投影同一化(視)の違い&投影をしてくる人の精神構造

投影同一化(視)(projective identification)についての下の記事を比較的よく読んで頂けているようなので、補足しておきます。今回は、「投影」と「投影同一化(視)」との違いです。 echo168.hatenablog.com 「投影同一視(化)」という言葉はいろんな意…

準強制わいせつ罪に問われた乳腺外科医

東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸をなめ、自慰行為をしたなどとして、準強制わいせつ罪に問われた医師の控訴審判決が13日、東京高裁でありました。朝山芳史裁判長は一審の無罪判決を破棄し、懲役2年の実刑を言い渡しました。 麻酔…

被害者を「ストーカー」に仕立て上げるセクハラ加害者

セクハラにおいても、本来の加害者が被害者を加害者に仕立て上げることがあります。 ありがちなのは、大学などの教師が学生にセクハラをしておいて、自分が訴えられると、「メンタルが不安定な女子学生から、付きまとわれている」という話にするパターンです…

被害からの立ち直り方

モラハラ・DV・ストーカー、セクハラ、パワハラ、性被害、妄想症の人からの被害など、どれにも当てはまると思いますが、加害者に人格異常や精神異常がある場合、加害者心理の分析と、被害者に生じている異常な精神状態の正常化とは、セットになっていると思…

偽のストーカー被害者

ストーカー問題の関係者は必携の書とされている、ミューレン / パテ /パーセル共著『ストーカーの心理――治療と問題の解決に向けて――』サイエンス社, 2003年の中に、偽のストーキング被害者たちという項目があります(223-243頁)。 「『偽被害シンドローム』…

問題だらけのストーカー規制法

日本のストーカー規制法では、相手に対するつきまとい等のストーカー行為が「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」ということに限定されているので、ミューレンの分類における「憎…

クレランボー症候群の妄想の対象にされた人における精神的被害と後遺症

今年の4月に書いたクレランボー症候群についての記事に、こちらの記事のリンクを貼っておきました。妄想のターゲットにされた人が受ける精神的ダメージと後遺症についての説明をします。 下の理由により、妄想のターゲットにされた人は、頭を変にさせられ、…

虐待された子どもは将来、加害者になるよりも、再び被害者になりやすい

児童期に虐待された人は、むしろ子育てに心を砕くようになる ジュディス・ハーマンによれば、子供の頃に虐待された人たちの圧倒的大多数は、一般に思い込まれている「虐待の世代間伝播」に反して、自分の子供を虐待したり、放置したりせずに、むしろ自分と同…

事実の歪曲の仕方

このところ疲れていて記事を更新できなかったのですが、プロレスラーの木村花さんがSNS上の誹謗中傷を苦に自殺されたとのことで、ずいぶん話題になっていました。 あの「テラハ」という番組も、悪質だったと感じます。当然、要求される役回りや筋立てがある…

パーソナリティ障害の傾向とモラハラDV・タイプの異なり

パーソナリティ障害といっても、複数の障害が混じっている場合もあります。 モラハラやDVをする人に自己愛性パーソナリティ障害があるといっても、境界性パーソナリティ障害や反社会性パーソナリティ障害や妄想症などが混じっていると、攻撃の展開の仕方が違…

発達障害のパートナーからのモラハラ・DVの特徴&人格障害の場合との違い

発達障害のある人のモラハラ・DVの特徴 パートナーが「モラハラ」「DV」で、やたらと怒鳴ってきて恐い、と言っても、原因が人格障害か発達障害かによって、かなり質が異なると思います。でも、やたらと怒鳴ってきて恐いという表面上の事態は、同じになります…

罵りながら当然のようにパートナーをこき使うのは、なぜ?

自己愛性人格障害者は、自分にとって価値のある事しかしようとしません。自分の功績につながらないような雑用はやりたがりません。それは他の誰かに押し付けます。家庭の中であれば、パートナーに押し付けます。 自分がやりたくない仕事を人に押し付けたあげ…

恐怖の恋愛妄想 ~クレランボー症候群(エロトマニア、被愛妄想)

非常に簡単に言うと、妄想上の恋愛関係でマウントを取らなくては気が済まないというのが、クレランボー症候群の妄想の特徴です。そのため、妄想の対象としている相手から避けられたり嫌われたりすると、自分の優位を取り戻すために、相手の方を貶める醜悪な…

栗原勇一郎被告に見るDV性格

栗原勇一郎被告に、懲役18年が求刑されました。前回の記事の追記で書こうかと思いましたが、長くなりましたので、新しい記事にします。 検察側は「もはや“虐待”という言葉では表現しきれない凄惨かつ非道な行為。拷問やなぶり殺しと表現してもさしつかえな…

栗原心愛ちゃん虐待死事件、勇一郎被告の裁判の記事を読んで

DV男らしい言い草が並んでいるな、と思いました。 自己正当化を行い、責任を被害者に押し付け、自分の暴力を矮小化する――これがDV加害者の基本的態度です。裁判になどならなくても、日常的にそうです。認識が歪んでいるので、自分でそう思い込んでいますし、…

化けの皮が剥がれそうになると逆上する人

病的な自己愛を抱えた人格障害の人たちの何が問題かと言えば、攻撃性の高さです。人が〈ちょっとした意見の違い〉を示したり、〈ちょっとした事実の指摘〉をしただけで、自尊心を傷つけられたと感じて、攻撃してきます。いろんなコンプレックスがあるため、…

どうすればDV・モラハラ加害者を変えられるか? / 危険性の判断の仕方

DV加害者専門カウンセラー、臨床スーパーバイザーで、米国マサチューセッツ州で1000人を超えるDV加害者に関わってきたランディ・バンクロフト氏は、次のように指摘しています。 彼を変えようと懸命になる道は、行き止まりへの道です。そうすることで、…