歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

発達障害のパートナーからのモラハラ・DVの特徴&人格障害の場合との違い

発達障害のある人のモラハラ・DVの特徴

 

パートナーが「モラハラ」「DV」で、やたらと怒鳴ってきて恐い、と言っても、原因が人格障害発達障害かによって、かなり質が異なると思います。でも、やたらと怒鳴ってきて恐いという表面上の事態は、同じになります。もちろん発達障害があっても、モラハラやDVを行わない人の方が、普通だろうと思います。

 

発達障害者によるモラハラ、DVの特徴は、自分が実生活に適応できないという苛立ちが原因になっていると考えられます。つまり、普通ならストレスなく対応したり、適応したりできることが、発達障害のある人は極めて苦手で、苛立って怒り出すということです。

 

たとえば、同じ物がいつも同じ所にないと見つけることができないとか、臨機応変に行動できないため、いつもと違うことが起こるとパニックになるとか、柔軟に対応できないため、予定どおりにいかないだけでストレスでおかしくなるとか、じっと同じ所で待っていることができないとかです。

 

それで、いつも同じ場所に置くべき物を、家族が別の場所に置いたり、家族のせいで自分の予定や想定がちょっとでも狂ったりすると、大騒ぎになって家族を怒鳴りつけます。特に、自分が家庭生活の上で依存しているパートナーに対して、こうした態度が酷いでしょう。

 

物をいつも同じ場所に置くということは、特に家庭生活の中では難しいことです。たとえば、冷蔵庫の中などというのは、入れる食品によって、置く場所が変わってきて当然です。また、家族全員が常にスタンバイして、発達障害者さんの予定に合わせるというのも、なかなか大変なことです。でも、そうしないとストレスで怒り出すのですね。

 

また、外で待ち合わせもできなかったりします。自分の都合の良い時間に来て、ちょっとでも待たされると一人で先に行ってしまったり、勝手に待ち合わせ場所を変えて別の所に来て、相手がいないという理由で、一人で帰ってしまったりします。そのあげく、不都合が生じると(生じて当たり前ですが)、怒り出します。

 

こうした騒ぎが日常茶飯事に起こるので、家族、特にパートナーは、怒られないように常に神経質になって相手の顔色を伺い、いつもヒヤヒヤさせられ、結果的に精神的支配下に置かれます。家の中にいても、心が休まる暇がないでしょう。

 

 

 

人格障害者によるモラハラ・DVとの違い

 

でも、これは人格障害者によるモラハラ・DVとは異なります。

 

自己愛性人格障害のある人の場合、最初から支配関係が目的です。相手を貶めることで、自分の中にある隠れた劣等感を優越感に逆転させようとしています。根底にあるのは、自分より人間的に優れたパートナーに対する妬み、嫉妬です。

 

人間性が冷酷で、わざと狙って心を傷つけてきます。そして、被害者に「自分が悪い」と思わせることによって、反撃を封じます。そうすることにより、一方的な支配を確立するのです。意地が悪く、自分の思い通りにならないと、相手が懲りるように、罰しようとします。

 

周りの人たちを自分の味方につけ、被害者の信用を落とし、一緒に被害者を攻撃させようとすることもあります。

 

被害者は「自分が悪い」と思わされていても、その実体がつかめず、「相手が怒るということは、自分の何かが悪いんだろう」と思わされています。つまり、判断力を奪われた状態に置かれて、人格を貶められ、支配されます。

 

私は、人格障害者によるモラハラ・DVに比べれば、発達障害のある人のモラハラ・DVは遥かに分かりやすいのではないかと思います。意地が悪い、という感じもないはずです。

 

 

 

人格障害発達障害、両方ある人も・・・

 

モラハラ・DV加害者によっては、人格障害発達障害と両方あり、被害者さんは本当に訳が分からないことになっている場合もあると思います。

 

しかし、上に述べた観点から、どれが何の理由によるものかというのは、わりと簡単に整理できるのではないかと思います。

 

 

さらに、モラハラやDVをする人に自己愛性人格障害があるといっても、境界性人格障害や妄想症や反社会性人格障害が混じっていたりすると、攻撃の展開の仕方が違ってくるので、今度、そういう記事を書こうと思います。