歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

その変な話は、妄想です ー まともに見える狂人、事実のような妄想

 「ずいぶん変な事を言ってくるな」とか、「ずいぶん嫌な話にしてくるな」とか、思うことはないでしょうか。その場合、その話をしている人が、変な人かもしれません。

 

 「妄想」のある人と言うと、「他人に思考を盗み取られている」とか、「電波でメッセージを伝えてくる」とか、そういう妄想をする人が思い浮かべられるかもしれませんが、それは統合失調症のような病気の場合の妄想です。それに対して、人格障害者などが自分の妄想ストーリーを喋っていても、事実を知らない第三者からは、まともな人に見え、攻撃されている相手の方が、とんでもない人物に見えます。妄想のパターンは本人の中にあるとしても、現実に対する「否認」とか「歪曲」といった形で、自分の妄想を合理化するからです。被害者が悍ましい被害を受けるのは、こうした妄想の持ち主からです。被害者も相手が狂人であることに最後まで気づかず、まともに話せば、話が通じるかと考え、解決を図ろうとしているうちに、ますますひどい被害に巻き込まれます。妄想を「事実」としてデマを流されたとき、第三者はそれを真に受けてしまいます。怖ろしいことに、狂人にとって妄想は、現実の事実以上の強固なリアリティです。加害者が狂人なのに、被害者がそれを証明できないと、被害者が悪い、という話にされます。これがモラハラの一つのパターンでもあります。

 

 一般的に、モラハラの加害者も、第三者からは立派な人に見えることが多いと言われます。というのも、自己愛的な変質者は、自分が自分にとっても、周囲の人にとっても、どのように見えるかということが大切で(実際がどうか、ではなく)、立派そうに振る舞うからです。それが行き過ぎている人が、やたらと自慢をして他人からの賞賛を求める人で、そうなるとかえって他人からは立派に見えていません。用心深い自己愛的変質者は、もっとずっと狡猾です。ただ、同情を買おうとして、苦労話をすることは、よくあるかもしれません。

 

 モラハラの加害者となる自己愛的な人には、魅力のある人が多いと言われますが、何の魅力も実力もなく、何の成功体験もない人の場合、年を重ねるにつれ、妄想の世界にばかり生きるようになります。

 

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